概要
モデルはウィンチェスターの『Model1894』。
ウィンチェスター94として知られ、狩猟用、民間用としては最も有名なレバーアクション銃といっても過言ではない。
『西部を征服した銃』という二つ名を持ち、一般に『ウィンチェスターライフル』と言えばこの94モデルを指す。
1894年にジョン・ブローニングによって設計され、旧モデルのModel1892を参考としたレシーバー部の改良に伴う使用弾薬の大型化が実現している。
当初は2つの金属製黒色火薬カートリッジである専用の.32-40弾と.38-55弾の使用を想定されていたが、翌年の1895年には無煙火薬を用いる.30 WCF(ウィンチェスターセンターファイアの意)弾が使用可能となっていた。ウィンチェスター94が世界初の無煙火薬商用銃たる所以である。
弾丸の火力に踏まえ、他のライフルと比べるとコンパクトかつ軽量であったウィンチェスター94は、特に密林などのショートレンジでの狩猟に最適とされ、7,000,000丁を超えるセールスを売り上げた最初の民間銃となった。
後方での装備に留まってはいるものの、第一次世界大戦においても2000丁ほどが軍に購入されている。
ところで、実際の西部開拓時代で扱われていたのは本銃より二世代前、つまりModel1892の全身であるModel1873であったが、西部劇の撮影に使われるウィンチェスターライフルは、旧式モデルが入手困難なこともあって、大概を本銃含む後発モデルで済ませていたという事実がある。
ちなみにRed Dead Redemptionは1911年を舞台にしており、一般に知られる西部劇よりもかなり後の時代を描いた作品である(鉄道の開設を定義として言えば、西部の開拓自体はすでに終了している)。
現在は文化的、歴史的な価値が認められ、メトロポリタン美術館にこのウィンチェスター94が展示されている。
正に国と時代を象徴する銃である。